第20巻4372番歌はこちらにまとめました。
第20巻 4372番歌
巻 | 第20巻 |
歌番号 | 4372番歌 |
作者 | 倭文部可良麻呂 |
題詞 | (天平勝寳七歳乙未二月相替遣筑紫諸國防人等歌) |
原文 | 阿志加良能 美佐可多麻波理 可閇理美須 阿例波久江由久 阿良志乎母 多志夜波婆可流 不破乃世伎 久江弖和波由久 牟麻能都米 都久志能佐伎尓 知麻利為弖 阿例波伊波々牟 母呂々々波 佐祁久等麻乎須 可閇利久麻弖尓 |
訓読 | 足柄の み坂給はり 返り見ず 我れは越え行く 荒し夫も 立しやはばかる 不破の関 越えて我は行く 馬の爪 筑紫の崎に 留まり居て 我れは斎はむ 諸々は 幸くと申す 帰り来までに |
かな | あしがらの みさかたまはり かへりみず あれはくえゆく あらしをも たしやはばかる ふはのせき くえてわはゆく むまのつめ つくしのさきに ちまりゐて あれはいははむ もろもろは さけくとまをす かへりくまでに |
英語(ローマ字) | ASHIGARANO MISAKATAMAHARI KAHERIMIZU AREHAKUEYUKU ARASHIWOMO TASHIYAHABAKARU FUHANOSEKI KUETEWAHAYUKU MUMANOTSUME TSUKUSHINOSAKINI CHIMARIゐTE AREHAIHAHAMU MOROMOROHA SAKEKUTOMAWOSU KAHERIKUMADENI |
訳 | 神が設けられた足柄峠の坂。後を振り返らずに私は越えてゆく。荒々しい男でさえためらう不破の関を越えて私はゆく。馬の蹄がすり減るという遠い筑紫の崎まで行ってとどまる。そこで私は身を清めて祈りを捧げよう。故郷のみなみなはご無事でと祈ってくれる。無事に帰って来るまで。 |
左注 | 右一首倭文部可良麻呂 / 二月十四日常陸國部領防人使大目正七位上息長真人國嶋進歌數十七首 但拙劣歌者不取載之 |
校異 | 十 [元][古] 廿 |
用語 | 天平勝宝7年2月14日、年紀、作者:倭文部可良麻呂、防人歌、茨城、息長国島、地名、静岡、羈旅、道行き、手向け、寿歌 |